2011年05月10日

フラゲレビュー:なれる!SE4

今月の電撃文庫フラゲ第二弾です。睡眠時間ありません(笑)
内容紹介:電撃文庫サイトより今度はプロジェクトマネージャー!?
話題の萌えるSE残酷物語、第4弾!
 とある出版社の本社移転プロジェクトに参画することになった立華と工兵。とはいえ請け負ったのは一部ルーターの移設作業だけ……だったはずが、あまりの惨憺たる状況にプロジェクトマネージャーが逃亡。その代打を工兵が無茶振りされることに。
 新人にはハードルの高すぎる未経験の業務を前に途方に暮れる工兵。期限は容赦なく迫り、ベンダー各社はごねまくる。はたして工兵はPM業務を完遂できるのか!? そして立華のプライベートの一端も明かされるシリーズ第4弾!

ストーリー紹介:橋本課長の会社の業平案件も継続中の中で、いつものごとく社長の引導によって、とある出版社の移転プロジェクトのWANルータ設置業者として打合せに参加することに。
そのプロジェクトはPMを外注していて、さらに各業者とは個別契約をしている顧客の姿があった。
(注:個別契約する場合はPMは顧客側で立てるまたは顧客層等の権限で外注の業者がPMをたてる、通常はPMを立てる業者のみが顧客と契約し、各ベンダはPMと契約をするという形態をとる)
契約形態と指示命令系統が一本化されていないプロジェクトで、各者の作業範囲(スコープ)も不整合が発生している。そんな中、PMが失踪して退職してしまうことに。顧客の常務とちょうど打ち合わせしていた社長がスルガシステムがPMをやると宣言する。
初めてPMを任される工兵。立華もプロジェクトマネジメントは素人。とりあえず本を買ってきてどのような作業をすれば良いのかを検討してベンダとの打ち合わせに挑む。
工兵から出された資料は机上の空論であり、非現実的な物(やれないことは無いが、管理コストがバカ高くなる)で、ベンダ各社は受け入れない。傷心の工兵は橋本課長に相談することに。
橋本課長は日本酒が好きなので、日本酒のあるお店で飲みながら相談しようとするが、そこに立華が割り込んでくる。橋本課長から有益なアドバイスをもらったが、下戸の立華が間違ってウーロンハイを飲んでしまいダウンする。
ダウンした立華を工兵はカモメと連絡をとった後に立華の家まで送って行く。立華の住んでいるところは高級マンションだったが、立華の部屋はエアコン、洗濯機、洗面台に置かれたコップと歯ブラシ、居間のローテーブルしかなく、カーテンも掛かっていない異様な部屋だった。
橋本課長のアドバイスから必要な資料を厳選し、ベンダとの2回目の打ち合わせに挑む。大半のベンダが理解を示したが、どうしても配線屋(薬院加奈子)が同意をしない。
感情的に詰める工兵だが、加奈子も首を縦に振らない。今回も何も決まらずに打ち合わせは流れてしまう。
顧客の担当が上司にPMが機能していないと報告し、工兵は社長に小一時間ほど説教を食らう。
説教を食らった工兵は落ち込んでしまい、それを見ていた立華が、過去の勉強会の資料を借りていたトランクルームから取り出して工兵に提供する。
その資料を見た工兵は加奈子に謝罪し協力を仰ぐ。これによって、プロジェクトは動き出しただ、まだまだスケジュールが引けない。
スケジュールにバッファを持たせているベンダに調整するが、バッファを削ってくれない。
そこで、ベンダは機器納品のみとして、設定・設置作業はスルガシステムで肩代わりする。それによって納期を守ることが可能になった。(顧客側はまだベンダサイドと契約していなかったから役割を変更することができた)
が、立華は死ぬほど忙しくなり工兵をしばく事に。
二人の関係は立華のプライベートの一端が明らかになったことによりちょっとだけ親密になった。

藤崎さんは地鶏が好きらしい。(本人談)
かもめさんは、六本木のバーで樽飲みとか、冷蔵庫のみ(詳細不明)をしていたらしい。(立華談)
梢さんと工兵が飲みに行くとビール2、3杯で妙な酔い方をしてすぐに眠くなるらしい。(工兵談)

感想:☆☆☆(5点満点中3点)
正直今回は期待はずれ。
SEの話としてみるとチープ(後述)だし、二人の関係もほんのちょっとしか進展していない。新規のキャラ(薬院加奈子)もキャラの書きこみ不足感が大きい。
なんといっても梢ちゃんが全く出てこない。回想シーンで出てくるが単なるヤンデレだろ。
今回の二人の進展は
・立華の部屋にはモノが無い。カーテンも無い。異常な状態(本人も認識してわざとやっているらしい)
・立華は過去にシステム開発に関しての勉強会に参加していたらしい。その資料は自宅ではなくホテルの隣のトランクルームに保管されている。
の2点のみです。
で、続いて移転プロジェクトの話ですが、これはひどすぎますね。時代考証が出来ていないです。
まずは、一昔前は信用商売できましたが、現在では契約書がなければ営業以外のSEを動かすことが出来ません。とくに移転で一番ネックになるキャリア回線については、2ヶ月前の申請では光は引けない可能性が高いです。NTTxxxに頼んだりすると平気で一声3ヶ月と言われたり仮申請や見込みで回線確保や業者確保なんてしてくれません。(本当の意味での)政治的な圧力をかけない限りは営業レベルで全て止まります。

ちなみに、私は過去本当の移転プロジェクトのPM(同じように水平契約)を担当したことがあります。
ベンダコントロールなんて1社の単純本社移転であればそれほど激しい交渉は不要です。もっと激しく交渉するのは運送屋との交渉です。機器や人員を半有するための経路確保、トラックの駐車スペースの確保やエレベータの確保など総務系との交渉が一番難しいですね。
足回りの業者がWBSが・・・とか、スコープが・・・なんてかっこいいことも言いません。最も泥臭いところにいる人達ですからもうちょっとダイレクトな交渉がメインになります。
著者は若い頃SEをやって、そのトラウマと現役SEの友人に話を聞いて本書を書いているということですが、正直デフォルメしすぎていて現場にいた人間から見れば「ありえなーい」の一言です。
3巻までもその傾向はあったのですが、二人の関係や新キャラの魅力がうわ待っていたと思いますが、今回はその新キャラや二人の関係の部分がおもしろくなかったので、この評価です。

仕事の話はどうでもいいから二人の関係を中心に書いて欲しいです。



残り2冊は多少時間がかかる予定です。
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posted by とも at 03:07 | Comment(0) | レビュー:夏海公司 | 更新情報をチェックする
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