2011年05月29日

レビュー:カナクのキセキ2

遅くなりましたが、今月のラス前書評です。

第22回ファンタジア大賞金賞作の第二段です。
内容紹介:富士見書房サイトとより:ユーリエを想うカナクの村に、来訪者が。一方、度胸抜群の牧場少女・レベッカは親の命令で“影砲士”のもとに嫁ぐことに。シャイな銀獣人スフィアと結ばれ、愛を誓うが!? 愛のため、少女は最強の“お嫁さん”になる
あらすじ紹介:二つのストーリーが同時に進行していきます。ひとつはユーリエがいなくなって5年後のカナクの姿。もうひとつは過去のストーリー。
(カナクの話)ユーリエを失ったカナクはユーリエ(マール)の残した第5の石碑の元で神官を務めていた。そこにはユーリエとカナクと一緒に旅をしたネウ(闇種族)が修道士として同居していた。石碑には当初は何も無かったが、現在では村が出来ていて人々が働いていた。カナクとネウは彼らをサポートしている日々を送っていた。
そんなある日、盗賊のアルマという男が村にやってきて、カナクを護衛するといってきた。カナクはアルマに自分自身が銀獣人であることを明かし、護衛は不要と伝えるが何故か村に居座るアルマ。
一方ネウはカナクに好意を抱いているがなかなか進展しない。布団に入り込むが寝込んでしまったり、酔っ払って絡んだりとホンワカムードが漂っていた。
アルマが村に来た翌日、ネウと外出していたカナクは神殿で不穏な状況を察知する。急いで神殿に戻ろうとすると、そこには何とユーリエがいた。しかし、それは魔導師リーゼという女が変身したものだった。
リーゼはカナクが望めばユーリエと再開し、過去を変えることが出来ると伝え消え去る。
動揺するカナク、そんなカナクを見てネウはカナクに自分の思いを伝える。しかし、カナクはユーリエへの思いを忘れられない。そんな時リーゼがカナクの前に現れ過去へ飛ばされたユーリエの苦難の状況や自分自身が所属している夢の世界であるイストリアルの崩壊(イストリアルはカナクたちが存在しているアレンシアの悪夢を吸収しすぎて崩壊寸前となってしまった)を伝えイストリアルを救い、ユーリエを救うために魔王となって欲しいと伝える。
そして時間を操作することが可能であると証明した。
昨晩のネウとの話の中でやはりユーリエのことを忘れることができないと悟ったカナクはリーゼの誘いに乗り魔王となってユーリエの元にいくことを選択し、ネウとアルマの元を去る。
カナクの代わりに神官となったネウだったが、こちらもカナクのことを忘れられずにカナクの事を追いかける事に・・・・・

(過去の話)影砲士のスフィアと呼ばれる人に急に嫁になることに決まったレベッカという女の子のお話。父親からいきなり「影砲士の嫁になって来い」といわれたレベッカ。父の言うことは絶対であり、貧しい村では口減らしで女の子がいきなり嫁ぐという話はよくあるとの事。
父親に文句を言いながら、スフィアの居るキンドリーの夕闇の長城へと向かうレベッカ。夕闇の長城にはスフィアの他にザイル(中年)とジョン(老人)という人が住んでいた。夕闇の長城は犯罪者を島流しにするという役割も持っているので、この二人にも過去があった。
ザイルは過去国の後方支援部隊長を務めていた。昔マールの石(マールの石碑に使われている石)の運搬をやっていて、そこに他国の兵隊がやってきて戦いとなってしまった。戦いの中で敵の盾とされたレベッカを打ち抜いてしまい、レベッカを救うためにマール石をレベッカに埋め込んだ。それを知った王が怒り、ザイルを夕闇の長城へ左遷させた。
ジョンは現在の王の父(先王)だった。20年前、息子が叛乱をたくらんでいたが国力が下がるのを嫌い野に下った。その後夕闇の長城に何で流れてきたのかは不明。
影砲士スフィアの仕事とは・・・夕闇の長城の先にある夕闇の海から定期的に現れる影の巨人をガザリウムの玉を使い破壊するというのが仕事。スフィアはカナクと同じ銀獣人であって、銀獣になってガザリウムの玉を破壊し続けていた。その戦いでは必ずスフィアが銃の反動で怪我をしてしまうためザイルとジョンが介護をしているとの事。
影の巨人は過去は30日間隔でやってきていたが、現在では10日間隔なってしまった。そして、今度は7日間隔でやってくるようになった。また、影の巨人を倒すためのガザリウムの玉の供給も減ってきているとの事。
影の巨人の襲来間隔は、この国の宮殿の地下にある迷宮の封印に関連しそうな事。ガザリウムの供給が減ってきたのはガザリウムが取れる地方の民が現政権に虐げられてサボタージュしているということがわかった。
影の巨人の襲来間隔が短くなったということが地下迷宮の封印がとかれつつあることだと判明した4人はこの機に無血クーデターを決行することに。
先王を錦の御旗とし、影の巨人を引きずりこんで影砲士の重要性を理解させ、どさくさにまぎれて現王を失脚させるプランをレベッカが考える。レベッカはプランを実行する前にスフィアから初代影法師が使っていたという赤い鎧をもらう。
レベッカは夕闇の長城の使いとして王に謁見を申し込むが無下に断られる。腹いせに暴れていると将軍がとりなしてくれる。ようやく面会にたどり着くがうまくいかない。絶望感に浸りそうになるが、将軍に王の側近が逃げる可能性を示唆し、先王が王権奪還のために動くので一緒に立って欲しいと依頼し、快諾を得る。
みんなと合流するために城へ戻ろうとするが、すでに影の巨人が進化して襲い掛かってきていた。ガザリウムの玉も後1個となってしまい、王城へ向かう。王城から最後の1個の玉を影の巨人を打つスフィア、しかし、それは影の巨人の腕を粉砕しただけであった。ところが、影の巨人は霧散してしまう。宮殿地下の封印が破られ、そこに現れたのはリーゼだった(カナクのところに出てくるねーちゃん)
リーゼはスフィアを手下にしようとしたが、スフィアが拒否したためいとも簡単にスフィアを殺してしまう。リーゼはスフィアの祖先に150年前に本体と意思?(影の巨人)と分離させられてしまったとの事。
リーゼはレベッカを生かしておくことに。それはレベッカの体にスフィアの子供を宿していることを知ったから。そして、レベッカを1年近く睡眠状態にさせておくことに。
レベッカは有名な楽団に拾われた後、神官に預けれ1年近い眠りから覚めたレベッカは一人の男の子を生むことに、当然銀獣の子供である。その子供の名前は「カナク」と名づけることに。そしてレベッカを見守ってくれた神官に「カナク」を託し行方知らずとなる。リーゼがレベッカとカナクを狙っているためカナクの安全のために過去を消すことに。
とある地に流れ着いたレベッカは名前を変え戦いに明け暮れることに、いつしかレベッカはオリヴィア女王となった。そして、カナクを見守りリーゼを倒すために力を蓄えていた。
(ここで2つの物語が繋がる)カナクがリーゼに連れ去られたことを知ったオリヴィアはカナクを追うことに、そしてネウもカナクを追うことに・・・・・

感想:☆☆☆☆(5点満点中4点)
1巻の完結でもう終わったのかな?という話を長続きさせてきました。ユーリエが居なくなったカナクの話が主体だと思っていたのですが、別の話を交えて最後にひとつにまとめるという手法は見事ですね。
レベッカの話はちょっとできすぎ感がありますが、読めないこともありません。話の場面展開が速く二つの話の細切れ感を感じるところがありますが、全体的には読みやすい文章だと思います。
今回は思いっきり次巻への引きで終わりましたが、まあ許せる範囲だと思います。
ただ、気になるところは世界観があまり見えないところですね。この手の話ではよくありますが、それぞれの国の関係とか特徴とか十分に書ききれていないため、どこの国で何が起きていて、それぞれの国の生い立ちや関係、特徴などが不明瞭です。文中にそれなりに書かれているのですがちょっと理解しづらい点があると思います。
ファンタジー系は好きなジャンルですが、なかなか国内のよい作品が無いのでがんばって書いて欲しいですね。
ただし、今回フラグをいろいろと仕込んでいるようですがちょっとわかりやすい点がマイナスです。
次巻も書きあがっているということなので是非購入させていただきたいと思います。
(主の予測)カナクはやっぱり千年前の過去に飛ぶが、ユーリエの死の直前にしかたどり着けなかった(なので第5の石碑が生まれる)死ぬ間際に幸せになったユーリエの元でしばらく暮らすが、銀獣の始祖となるために夕闇の長城付近で生活を始めて(ご都合主義的に言えば)未来から飛んできたネウと一緒に暮らし子供をなす。そのときは母から預かった鎧とマールの物語を持って・・・・
当初はマールの物語を書いたのがカナクだと想像していたのですが、それだと石碑ができないんですよね・・・
予測が当たるかどうかは第3巻に期待です!
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posted by とも at 16:29 | Comment(0) | レビュー:上総朋大 | 更新情報をチェックする
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