2011年09月12日

レビュー:なれる!SE5

3日連続で書評をUPします。今月は境ホラ以外は読み終わりました。境ホラは流石に1年近く読んでなかったのでついていけませんので1巻から読みなおしをする予定です(笑)
本日はなれる!SE5になります。
内容紹介:電撃文庫サイトより
今度の試練は西日本出張行脚!? 話題の萌えるSE残酷物語、第5弾!

「あんた西日本と東日本どっちが好き?」
 立華のなにげないその質問が過酷な出張行脚へのはじまりだった!
 課されたミッションは、通信機器の現地設置作業。簡単に思えた業務だがすんなり行くわけないのがこの業界。理不尽なハプニングが行く手に次々立ちふさがる。
 そして最後に辿りついた先はなぜか工兵の実家。工兵の妹も初登場です!
あらすじ紹介:4巻で受注したベータメディアの移転プロジェクトも移転当日の作業が完了し、一段落。早帰りの許可ももらって、金曜日は代休とって、3連休を目論む工兵。
が、気がついたら定時まで仕事をしていた。さらにベンダからのメールを待っていたらなんと夜の10時を過ぎていた。嫌な予感がして、帰り支度をする工兵の元に立華がやってくる。
立華が持ってきたのはオリヴィエというオーディオ機器メーカの全国のデータセンターにある機器(DNS&DHCPサーバ)のリプレースの現地作業。立華は工兵に「東日本と西日本どっちがいい?」と聞かれる。
思わず「西日本」と答えてしまい、休日出勤含む3日間で福岡→広島→神戸→京都への行脚が決定したのだった。おまけに代休申請していた金曜日にも先方との打ち合わせがあるので出勤になってしまった。
重たい足取りで福岡へ。福岡のデータセンターに到着した工兵は立華に到着メールを送る。立華は東日本を担当し、北海道へ飛んでいたのだった。お約束で迷子になる立華w.工兵がメールで指示をだす。気を撮り直してデータセンターの入管手続きを行なおうとする。が愕然とする工兵。データセンターの入館申請が出されていなかったのだ。急ぎベンダーに連絡し、入館申請を出してもらうことに。なんとか入館して、サーバをリプレースしようと指示書に書かれているラック位置には別の機械がが鎮座していた。慌ててベンダに確認するが、30分過ぎても確認がない。広島では担当者が出勤していない、神戸は設置場所が決まっていない、京都ではconfigが落ちていないなど散々な結果に。立華も同じような状態で二人してチャットで愚痴を垂れることに。
その時に立華がSEやPMとして上流工程に携わるだけでなく、現場の感覚を養え、現地作業で見える適正な見積もりを理解しなさいとアドバイスするのだった。
翌日の作業は昼過ぎから。梅田観光をしていると休みで規制していた梢と偶然に会う。実は偶然じゃなく、工兵のスケジュールをチェックしていた梢が工兵が回りそうなところを監視していたのだったw
作業が終わった後に新幹線に乗るまで大阪観光に付き合うことになった。
今回も入館トラブルが有るんじゃないかと心配していた工兵だが、入館申請も出ていたし、配送されrている機材も過不足なく入っていて、あっという間に作業が完了する。(梢が手配したのかと思うくらい完璧だったw)データセンターを出ると、早速梢からメールがw。実は会社のIRCを覗いていて、オフラインになったから作業完了したと推測したとのこと(それでも十分にストー・・・・・)
梢と大阪観光に行くことに、しばらくすると立華から連絡があり、浜松のDCまで行って欲しいとの事(浜松は工兵の実家があるところ)
新幹線を乗り継ぎ、浜松のデータセンターへ到着し入館する。先方の担当者は家族サービスを中断されて立会をしていると事。大至急作業をしようとするが、なんと光ケーブルで繋げなければならないところになぜかメタルケーブルしか入っていなかった。おまけに指示書にはサーバが1台と書かれているが、2台配送されていた。
呆然とする工兵とユーザ、そこに立華からメッセージが飛んで来る。状況を伝えると1時間差業を延長しろとのこと。
1時間後やってきたのは立華だった。立華は不足分のケーブルを持ってきたのだった。とりあえず設置作業は完了し、先方の担当者も家族サービスに戻ることができた。食事を取り、新幹線に乗ろうとしたら、新幹線が信号機故障で運転を見合わせていて、どこにもいけなくなってしまった。高速バスも夜行列車もとれなかった。近隣のホテルも満室。立華は野宿をしようとするが、工兵が実家へ案内することに。(この時点で11半前)既に家族は就寝していたので、こっそりと自室に向かう二人。リビングに返ってきたメモをお高等すると、いきなり妹が強盗と間違えて襲ってきたw。
なんとか静めた工兵だが、ふと顔を見せた立華を見て妹(誉)は「お兄ちゃんが女の子をさらってきた!」と大騒ぎ。両親が起きてきて、大騒動に。そこに、立華がかっちりとした和風の挨拶をこなして、場を静めたのだった。
両親からのおもてなしと風呂を借りる立華。立華は風呂で誉と多少会話をする。
その会話に違和感を持つ誉。立華は知人の紹介で今の会社に入社したとのこと。「知人」というキーワードに胸が痛む工兵だった。(ちなみに、知人が誰かは誉は知っているみたい)

一段落した後、眠れなくなった立華と工兵は屋上へ向かう。屋上には天然のプラネタリウムが有った。
しばらくその場で会話をする。
工兵は浜松に来ればのんびり仕事が出来るといい、立華は「あんたと一緒なら・・・・知らない土地でもやっていけるかもしれない」とドキドキするような回答をする。
そんな時、工兵の携帯が突然鳴る。浜松のデータセンターで立ち会ったユーザ側の社員から浜松で交換したサーバがアラートが上がっているとのこと。至急対応してほしいとの要請だった。
断ろうとする工兵を制した立華は、今すぐにセンターへ向かうと回答する。工兵には「現地で待っている社員やベンダの担当者の気持ちを考えろ」と諭す。
データセンターに到着した二人。前回設置しなかった機器をバックアップとして設置することに。
これで正常に動くはずだが、なぜかうまく動かない。色々と調査すると、2台とも同じ設定で出荷されていたことがわかる。パラメータ変更できれば問題ないが、ルートのパスワードなんかは現地の作業員には教えてもらえないので、作業ができない。号を煮やした工兵はユーザの情シス担当と交渉を行う。
本来であればベンダが行う作業を追加でユーザができるようにしてほしい、それ用のアカウントを入れる作業を現地のユーザに実施してほしいと要求したのだった。
(工兵たちでは実際に触ることができないから、その権限に一番近いユーザに作業を代理で実施してもらうという建前で、ルートのパスワードを合法的にもらい、設定変更を行ってしまおうという考え方)
なんとかベンダ側をごまかして作業を終了させる。
翌日新幹線で別々のセンターに向かう二人。二人にはユーザに喜んでもらったという満足感が漂っていた。
が、早朝からのベンダーコールで悲鳴に変わってしまった。
感想:☆☆☆☆(5点満点中4点)
今回は梢さんの活躍?も読めたし、PM編ほどIT業界の常識からずれている部分が少ないのでまあ楽しく読めました。
梢さんのヤンデレ化が進んでしまい悲しいところもありましたが、全体的にライトな感じで読後も爽やかです。立華の秘密の部分も少しずつオープンになってきていますので、今後の展開も楽しみですね。
恒例の現役業界人からの小言(笑)としては
・移転プロジェクトのPMが現地立会いしないで自社待機なんてありえない!(本来は移転先の会議室を借り切ってリアルタイムに進捗管理とトラブルフォローを行うことが常識。トラブルが発生した時の指示系統が保てなくなりますからね。体制についても移転が終わった日(リリース日)ではなく翌営業日の業務終了までとかもうちょっと期間をとって体制を確保したほうがリアルだったと思う)
・DCのセキュリティが甘い。今の世の中、データセンターでは個人の携帯電話の持ち込みは大半が禁止されていると思います。なんちゃってセンターでなければデータセンター内で外部のネットワークと勝手につなぐとか、携帯でやり取りとかはかなり制限されているのが現状です。(話の展開上仕方ない部分もあると思いますので、多めに見たいと思いますが)
・立華のセリフの「SEやPMとして上流工程に携わるだけでなく、現場の感覚を養え、現地作業で見える適正な見積もりを理解しなさい」ある意味正しいのですが、ある意味間違ってます。特に若い人にはこの考え方は危険です。
何故かというと、現地で作業する作業員の知識(スキル)と工兵の知識(スキル)に差があるからです。
現地の実際の作業を自分自身で体感し、(俺なら)これくらいの工数でできると見積もってしまうと、現地の作業員では見積もり通りに作業できないケースが多々あります(単純に物理的な入れ替えでもいっしょ)
中身を知っている人間の作業と(工兵の作業)と中身の知らない人間の作業(作業員の作業)にはレベル差が発生するものなので、俺ならこれくらいの時間でできるからこの人工で作業できると見積もることは危険なんですね。まあ、これは経験がモノを言う世界ですからコトバで書いてもなかなか理解出来ないと思いますが・・・・

逆に大きく同意できるのはプロローグの藤崎さんのコメント「仕事を探すな」。これには深く同意します。
私自身もリリース日の翌日に別のプロジェクトのキックオフに参加させられたり、リリース前に別プロジェクトに突っ込まれたりなどの経験がありますからこの言葉は重いですね。

まあ全般的に突っ込むところも少なかったし、今後の展開も楽しみなのでよしとしましょう。
次回は橋本課長のターンか新キャラのターンですかね?

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posted by とも at 23:48 | Comment(0) | レビュー:夏海公司 | 更新情報をチェックする

2011年05月10日

フラゲレビュー:なれる!SE4

今月の電撃文庫フラゲ第二弾です。睡眠時間ありません(笑)
内容紹介:電撃文庫サイトより今度はプロジェクトマネージャー!?
話題の萌えるSE残酷物語、第4弾!
 とある出版社の本社移転プロジェクトに参画することになった立華と工兵。とはいえ請け負ったのは一部ルーターの移設作業だけ……だったはずが、あまりの惨憺たる状況にプロジェクトマネージャーが逃亡。その代打を工兵が無茶振りされることに。
 新人にはハードルの高すぎる未経験の業務を前に途方に暮れる工兵。期限は容赦なく迫り、ベンダー各社はごねまくる。はたして工兵はPM業務を完遂できるのか!? そして立華のプライベートの一端も明かされるシリーズ第4弾!

ストーリー紹介:橋本課長の会社の業平案件も継続中の中で、いつものごとく社長の引導によって、とある出版社の移転プロジェクトのWANルータ設置業者として打合せに参加することに。
そのプロジェクトはPMを外注していて、さらに各業者とは個別契約をしている顧客の姿があった。
(注:個別契約する場合はPMは顧客側で立てるまたは顧客層等の権限で外注の業者がPMをたてる、通常はPMを立てる業者のみが顧客と契約し、各ベンダはPMと契約をするという形態をとる)
契約形態と指示命令系統が一本化されていないプロジェクトで、各者の作業範囲(スコープ)も不整合が発生している。そんな中、PMが失踪して退職してしまうことに。顧客の常務とちょうど打ち合わせしていた社長がスルガシステムがPMをやると宣言する。
初めてPMを任される工兵。立華もプロジェクトマネジメントは素人。とりあえず本を買ってきてどのような作業をすれば良いのかを検討してベンダとの打ち合わせに挑む。
工兵から出された資料は机上の空論であり、非現実的な物(やれないことは無いが、管理コストがバカ高くなる)で、ベンダ各社は受け入れない。傷心の工兵は橋本課長に相談することに。
橋本課長は日本酒が好きなので、日本酒のあるお店で飲みながら相談しようとするが、そこに立華が割り込んでくる。橋本課長から有益なアドバイスをもらったが、下戸の立華が間違ってウーロンハイを飲んでしまいダウンする。
ダウンした立華を工兵はカモメと連絡をとった後に立華の家まで送って行く。立華の住んでいるところは高級マンションだったが、立華の部屋はエアコン、洗濯機、洗面台に置かれたコップと歯ブラシ、居間のローテーブルしかなく、カーテンも掛かっていない異様な部屋だった。
橋本課長のアドバイスから必要な資料を厳選し、ベンダとの2回目の打ち合わせに挑む。大半のベンダが理解を示したが、どうしても配線屋(薬院加奈子)が同意をしない。
感情的に詰める工兵だが、加奈子も首を縦に振らない。今回も何も決まらずに打ち合わせは流れてしまう。
顧客の担当が上司にPMが機能していないと報告し、工兵は社長に小一時間ほど説教を食らう。
説教を食らった工兵は落ち込んでしまい、それを見ていた立華が、過去の勉強会の資料を借りていたトランクルームから取り出して工兵に提供する。
その資料を見た工兵は加奈子に謝罪し協力を仰ぐ。これによって、プロジェクトは動き出しただ、まだまだスケジュールが引けない。
スケジュールにバッファを持たせているベンダに調整するが、バッファを削ってくれない。
そこで、ベンダは機器納品のみとして、設定・設置作業はスルガシステムで肩代わりする。それによって納期を守ることが可能になった。(顧客側はまだベンダサイドと契約していなかったから役割を変更することができた)
が、立華は死ぬほど忙しくなり工兵をしばく事に。
二人の関係は立華のプライベートの一端が明らかになったことによりちょっとだけ親密になった。

藤崎さんは地鶏が好きらしい。(本人談)
かもめさんは、六本木のバーで樽飲みとか、冷蔵庫のみ(詳細不明)をしていたらしい。(立華談)
梢さんと工兵が飲みに行くとビール2、3杯で妙な酔い方をしてすぐに眠くなるらしい。(工兵談)

感想:☆☆☆(5点満点中3点)
正直今回は期待はずれ。
SEの話としてみるとチープ(後述)だし、二人の関係もほんのちょっとしか進展していない。新規のキャラ(薬院加奈子)もキャラの書きこみ不足感が大きい。
なんといっても梢ちゃんが全く出てこない。回想シーンで出てくるが単なるヤンデレだろ。
今回の二人の進展は
・立華の部屋にはモノが無い。カーテンも無い。異常な状態(本人も認識してわざとやっているらしい)
・立華は過去にシステム開発に関しての勉強会に参加していたらしい。その資料は自宅ではなくホテルの隣のトランクルームに保管されている。
の2点のみです。
で、続いて移転プロジェクトの話ですが、これはひどすぎますね。時代考証が出来ていないです。
まずは、一昔前は信用商売できましたが、現在では契約書がなければ営業以外のSEを動かすことが出来ません。とくに移転で一番ネックになるキャリア回線については、2ヶ月前の申請では光は引けない可能性が高いです。NTTxxxに頼んだりすると平気で一声3ヶ月と言われたり仮申請や見込みで回線確保や業者確保なんてしてくれません。(本当の意味での)政治的な圧力をかけない限りは営業レベルで全て止まります。

ちなみに、私は過去本当の移転プロジェクトのPM(同じように水平契約)を担当したことがあります。
ベンダコントロールなんて1社の単純本社移転であればそれほど激しい交渉は不要です。もっと激しく交渉するのは運送屋との交渉です。機器や人員を半有するための経路確保、トラックの駐車スペースの確保やエレベータの確保など総務系との交渉が一番難しいですね。
足回りの業者がWBSが・・・とか、スコープが・・・なんてかっこいいことも言いません。最も泥臭いところにいる人達ですからもうちょっとダイレクトな交渉がメインになります。
著者は若い頃SEをやって、そのトラウマと現役SEの友人に話を聞いて本書を書いているということですが、正直デフォルメしすぎていて現場にいた人間から見れば「ありえなーい」の一言です。
3巻までもその傾向はあったのですが、二人の関係や新キャラの魅力がうわ待っていたと思いますが、今回はその新キャラや二人の関係の部分がおもしろくなかったので、この評価です。

仕事の話はどうでもいいから二人の関係を中心に書いて欲しいです。



残り2冊は多少時間がかかる予定です。
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posted by とも at 03:07 | Comment(0) | レビュー:夏海公司 | 更新情報をチェックする
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